抜け出せない傷
ポルノやアダルトサイトが、見る人を依存させたり、性的な関係を築くに当たって悪影響を与えるという話を聞きます。
私は10歳頃から、アダルトサイトを見るようになっていきました。はまりだしてから完全にやめるまで、詳しくお話ししたいと思います。
ある日、おもしろフラッシュという動画サイトを一人でを見ているとき、そこにあるリンクからはまりだしてしまいました。
はじめはイラストやアニメを見ていましたが、高校生になる頃には実写のもの、より露骨なものを見るようになっていきました。
私はクリスチャンであり、結婚まで性行為をしないと決めています。それなのに、性的な欲望を駆り立てるポルノに依存してしまい、どうにもならない罪悪感を抱えていました。また、学業の成績もよく、休日はボランティアなどにも参加しており、「いい子」「やさしい子」であるはずの私が、このようなことをしていることにもどかしさを感じていました。誰にも話せず、そんな自分をはぐらかしながら生きていました。
大学生のとき、同じくポルノにはまってしまい葛藤を抱えている友達に出会いました。気持ちを分かち合うことができたおかげで、サイトをみる頻度は大きく減りました。また、その中で女性が完全に物として扱われていること、すぐに性行為に走り、女性だけでなく、そこに出てくる全ての人が、人格がないものとして扱われていることに気づくようになっていきました。このようなものは、誰かときちんと信頼関係を築いて互いに対等な体の関係を築くに当たって、本当に悪影響になってしまう。そう気づいたことで、ポルノを見るのを完全にやめることができました。
むやみに性行為をすることは、性感染症や鬱、自殺の可能性を高めると聞いたことがあります。また、性犯罪は、被害者やその周りの人たちに身体的、精神的に大きなダメージを与えるものです。そして何より、加害者自身が自分を痛めつけ辱しめているのです。
ポルノの画像や動画は、友達や恋人同士で普通の娯楽と同じように見ているというように、今や多くの人の日常に溢れているものです。女性がマスターベーションをするにあたって、男性たちに襲われる妄想をするという話も聞いたことがあります。男性からの抑圧を、自然と取り込んでしまっている女性がいるのです。
大きなリスクや精神的負担を起こしうる性行為への欲望を安易に駆り立てる。また、特に女性を物扱いし、乱暴で不平等な性行為に及ばせる。そうした影響のあるポルノを、私は良いものとは思っていません。
長年ポルノを見てきた私ですが、今もその影響から完全に抜け出せていないと思います。身近な人たちのことで性的なことを考えてしまったり、関係のないサイトを見ていても広告欄にポルノ画像や動画が出てくることがよくあったりして、困っています。将来結婚したときに、さらに悪影響が出てくるかもしれません。しかし、時間がかかっても、できる限り自分の傷を癒していきたいと思っています。
「ポルノは見てはいけないもの」ただそう考えるだけではなく、その影響や、作品の作られる背景にある差別に目を向け、一人一人が行動の選択をしていくべきではないでしょうか。
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