遠山公子@フラワーデモ その3

皆様こんばんは。お仕事や学校おつかれさまです。
「従軍慰安婦」と聞いて、あなたはどのような言葉が思い浮かびますか?
賠償金、少女の像、怒る韓国人…多くの人たちがまず、こうしたことを思い浮かべるかと思います。
女性たちは自らの意思で働いていたのだ、2015年の日韓合意で解決しているものだと、多くの日本人が考えています。そして、韓国人はいつまでも怒り続ける、うるさい人たちだというイメージを植え付けられてさえいるかもしれません。
韓国と日本の考えも違えば、この問題について学ぶ機会も、日本の方がずっと少ないのではないでしょうか。

4年前、私は韓国を訪れ、戦時中に日本がしたことについてあまりにも日本で教えられていないことにショックを受けました。たくさんの素敵な韓国人と出会い、おいしい韓国料理を食べ、こんなに素晴らしい国を日本がひどく傷つけたということに、とても胸が痛みました。
私の父は、慰安婦たちは自ら働いていたのであり、今、彼女たちは賠償金ほしさに泣いているのだと言っていました。その父から、私は性的な嫌がらせを受けていました。
男性が女性を物のように扱い、欲望のはけ口とする。そのような構造において、暴力や差別が全くなかったなどと言うことは、絶対にできません。
女性たちは自らの意思で働いていたのだから日本は悪くないという考えに、私は絶対に賛同できません。
慰安婦の制度、戦争というもの自体が、あってはならないものなのです。
どちらが正しいのか、何が本当か嘘かを言い争うのではなく、女性を物のように扱うことや、その原因となる戦争が、世界中からなくなるために、韓国と日本が手を取り合っていくべきだと考えます。

私が韓国を訪れた時に、同年代の女の子がお花のバッジをプレゼントしてくれました。バッジを作っているのは、マリーモンドという、慰安婦だった女性たちの記憶を語り継いでいく団体です。マリーモンドのサイトを見ていて、カン・ドクキュンというハルモニに出会いました。ハルモニとは韓国語でおばあさんという意味で、従軍させられていた女性たちに敬意を示す呼び方でもあります。ハルモニは絵を描くことで、自らの経験した痛みを表し続けました。マリーモンドは、その姿を、今私が持っている野菊の花にたとえています。野菊の香りが長く続き広がっていくように、ハルモニは世の中に真実と次の世代への希望を残そうとしたのでした。彼女が亡くなったのは1997年、私が生まれた年でした。私もまた、絵を描くことなどの特技を用いて活動を行っています。性差別の被害当事者として、この問題について考える者として、ハルモニのように自らの作品を通して、本当にあったことを書き続け、次の世代に向けて差別や暴力がなくなっていくことを願い続ける存在でありたいです。

ありがとうございました。

やまのむこう

遠山公子の、虐待や差別問題に特化したサイトです。性差別、児童虐待、キリスト教界における問題などについて発信。

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